第に段 夏眠

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タイトル『粘』 (2013/07/22)  こんにちは。ちょっきです。  本日は土用の丑です。皆様は鰻を食べられましたか? まだお昼なんでこれからという方も多いかもしれませんね。  ちなみに私は、この日は何故か二年連続横浜行きとなったので、お昼前に某老舗を訪れて滋養を摂らせて頂きました。  本来なら休みを取って、善光寺近くの行きつけの某店に行きたかったのですが、祇園祭だお盆だと仕事を二十日近くも休む阿呆にそんな専横が許される筈もなく、先のお店に落ち着きました。ですが勿論、こちらも大変美味しいお店でした。御馳走様でした。  さて、この『夏バテ防止に土用の丑に鰻を食べる』という風習。すっかり定着している訳ですから、節分の『丸かぶり』や『恵方巻き』のように端的で親しみ易い名前は無いもんですかね?  『土用の丑』だけでは年中該当する日がありますし、何より丑の日に鰻を食べるって、少々ややこしい。かといって例えば鰻だけに『にゅるにゅるの日』……では流石に訳が解りませんね。  ではもう少し詳しくして『ねっとりぬめぬめとした黒い栄養の塊で滋養強壮の日』ではどうでしょう。……これでは余計に親しみにくくなってしまいますね。  こうして考えてみると意外に難しい。何か名付けのコツでもあるのでしょうか?  そうなんです。実は、『恵方巻き』と『丸かぶり』、どちらも食べ方から取った名前なんです。つまり名前を親しみ易くするコツは、食べ方にあるんです。  考えてみれば、あんなに視覚的にも触覚的にも印象的な食べ物を、普通に食べている方がおかしいんです。そもそも滋養強壮目的食べるなら、絶対生で食べるべきだと思いませんか? その方が鰻のぬめりを堪能出来るってもんです。  だから、まず鰻を食べる際は生きたままを素手で掴みましょう。この時点で家族がわいわい盛り上がることは必然です。更に、それを頭からかぶりつき、尻尾が胃に入るまで一切噛まずに喉に流し込む。こんな感じはどうでしょうか? でもって名前を『鰻の川下り』なんて付けちゃえば、インパクトもばっちり。名前も涼し気です。  ただこの場合問題なのは、味的にどうなのかという点と、これを実行出来るような奴に、鰻を食べて力を付ける必要性があるのか、という点くらいですかね。  てな感じで、鰻を食べるとこんなことを考えてしまえるくらい力が付きますので、皆様も是非お試し下さいませ。
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