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市川さんの言葉に返事もせずに、私は立ち上がると、上から市川さんを見下ろした
「飲み物買ってきますけど。
なにか必要ですか?」
思いっきりバカそうな笑顔で、私はそう言った
「……いや、俺も行くよ。」
来なくていいってーの!!
私は財布から小銭を出そうともたついていると、自販機でチャリン、と音がした瞬間、
「買ってやる」
ふと顔をあげると、市川さんのドヤ顔。
「えっ、いいですよ」
全く媚を売ることを忘れて、私は素でそう言った
「飴の御礼。はやく」
相変わらず無愛想な顔で、そんなに無愛想なら買ってもらわなくて結構だ!!
という訳にもいかなそうで。
「ありがとうございます」
そう言って、缶コーヒーのボタンを押した
「色気ねえな」
アンタは一体どうしろっての!!
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