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「凄いよね、フツー、奢らなくない?」
水曜日、ノー残業DAY
アフターファイブの女子会。
総務課に配属の藍子がそう呟く。
「まぁね、無愛想だけど結構イイやつだよね」
私はサラダを口に運びながら機嫌よくそう言った
「あれ?美紗緒、知らないの?」
経理課に配属の千秋が私の顔を不思議そうに見た
「何が?」
「市川さんて、うちの取引先の百菱物産の役員の息子だよ」
「ブッ!!」
「わっ!!ちょっと汚い!!」
「百菱物産~!?」
私は目の前にあったサラダに吹き出し、二人からお皿ごと目の前に渡され、「食べろ!!」と言われながら目を丸くして叫んだ
百菱物産っていったら、うちの課の主力取引先だ。
「まさか、七光り?」
ボソリ、とそう呟くと
「あったり前でしょ」
千秋がそう吐き捨てるように言った
ああ、だからあんなに偉そうなのか。
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