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†
授業の自己紹介が終わると同時に雪月花がやってきた。
「きみ」
「はぁ……?」
自己紹介を聞いているなら覚えてるはずだけれど。
変人さんとは出来るだけ近づきたくない。平和な生活を望んでいるからだ。
「きみはコノハナノサクヤ姫かな?」
「………………」
知っているんですか。
コノハナノサクヤ姫は神様なので学校にはいない。いたら怖い。
「名前がたまたまさくやなだけです。桐野さん」
「雪月花で構わない」
「はぁ……」
ゆきつきはなって言いにくいのですが。
人の話を聞かない変人さんは次にこう言った。
「世界を壊したくはないかな?」
「……御断り致します」
これは完全に雪月花に目をつけられた。
冷や汗を浮かべる私に雪月花がにこやかに微笑んだ。
何故か雪月花は美形なんだ。
「嫌なのかい?――『愚者』?」
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