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受け取ったそれは、ズシリと重たい一振りの直剣だった。
黒く流麗な鞘、シンプルながらも実用的なデザインをしている銀の護拳。柄は持ちやすく、二十センチほどの長さ。少しだけ引き抜いてみると、幅が八センチほどの刃は白銀で、黒い鞘と相まって非常に美しかった。
鞘の大きさからすると、刃の長さは九十センチくらいのロングブレード。
学院の装飾の凝った直剣と比べるとかなり質素なイメージだが、逆に戦場ではデザインよりも機能の方が重要だと物語っている。
「……凄ぇ…!」
自然と口から出たが、素人目から見てもわかるほど、素晴らしい剣だったから仕方がない。
「いつまで眺めてんだ?ウェルト」
思わず見とれていた俺は、ハッとなってフレインの方向を見直す。
そして
度肝を抜かされた。
「なにしてんだぁあ!お前はぁぁぁあああ!!」
叫ぶ。
この馬鹿を早くなんとかしないと、いろいろマズイ。
「どうだ!似合うだろ?」
いや、確かに似合ってるけど流石にそれはマズイ!
自分が今、何をしているのか理解してるのか!?
「へへ!これ、昔から着てみたかったんだよな!!サイズぴったりだし♪」
「お前はっ!一体ッ!!どこまで馬鹿なんだぁぁぁああ!!!!」
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