悪夢

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上級騎士の鎧は俺が受け取った剣の鞘と同じ黒色、他国からは『黒騎士』と呼ばれ、恐れられるほどだ。 当のフレインはというと、意外と軽いぜ!などと呑気に感想を言っている。 だが改めてみると、その姿はよく似合っている。 恐らく、学院の服が騎士のインナーを意識して作られていたこと、フレインの高身長だということと、金髪だという三つの要素がそうさせているのだろう。 フレインは身長は180センチを越え、学生服でも着ていなければ、大人と間違われるほどだ。 そしてフレインの珍しい金髪。 ユースティア王国では金髪は王族か貴族に多く、庶民ではまず見かけない。 フレインと町に出掛けると時折、貴族だと勘違いされることもあった。 髪色の珍しさでは俺も中々のものだ。 ユースティアは基本的に、金・茶・青の三色しか髪色は存在しないはずだが、俺は『赤』だ。 レアリティだけで言えば俺が群を抜いている、と心の中だけで自慢してみる。 「おーい!報告してきたぜー!!」 声のした方向を見ると、フィルゴが人の波に逆らい、揉みくちゃにされながらも手を振り、その存在をアピールする必死な姿が映る。 「ご苦労さーん!早くこっちに来ーい」とフレインも叫び返す。 ゼェ…ハァ、と息を切らし見ただけでも疲労しているフィルゴだったが、フレインの変化に気付き、歓喜の声をあげる。 「うぉぉおお!!カッケェェェェッ!!俺も欲しい!!俺の分は!!!!」 確かに興奮する気持ちもわかるが、少し落ち着こうか! 「フィルゴ!うるさい!落ち着け!!」 「おっと、残念!これは先着一名様限りだぜ!!一人分しかなかった!!そんな君にはコレをあげよう!!」 そう言ってフィルゴに手渡したそれは、ハルバードだった。 ハルバードとは斧と槍が組合わさったものであり、非常に強力な武器だが、非常に扱い難くもある。 突く、薙ぐ、斬る、殴る等の様々な戦術が組める上、リーチが長く、遠くからも攻撃を当てることができる。 一方で、リーチは長いものの、先端の刃でなければ攻撃はできず、大きさのため近距離で振り回すことができない。 また、重心が先端よりのために、普通の武器より筋力を必要とする。
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