9人が本棚に入れています
本棚に追加
「竜騎士はどこだ?」
「こちらを奇襲した後、歩兵が来るのを確認したら上空に飛び立ちました!」
「竜騎士に不用意に手を出さないのを徹底しろ。やつらは私が相手をする。諸君は眼前の敵歩兵に集中しろ!竜騎士を除けばやつらは烏合の衆に過ぎん!」
「隊列を組終わりました!我々はいつでも切り込めます!!」
「総員、突撃!帝国兵を殲滅せよ!」
騎士たちは各々雄叫びをあげ、駆け出す。
俺たちもそれに続いた。
~~前線のとある騎士~~
「ハァっ!」
また一人、敵を切り伏せるが次から次へと涌いて出る。
数人の部下とこの場に留まり、出来るだけ足止めしている。だが、かなりの数の敵兵に突破された挙げ句、いまではすっかり囲まれてしまった。
私の背後からさらに複数の足音が聞こえる。敵の増援が来たのだろう。
「万事休すか……」
このまま圧倒的な兵力差に呑まれ、私は敗れるだろう。
目を閉じ、覚悟を決めた。
だが、
「オラオラオラっ!天下無敵になる予定のフィルゴ様のお通りだぁ!雑兵どもは引っ込んでろ!!」
何事かと思い、振り返る。
「ガルウィン隊長!ご無事ですか!?」
そこには二人の学院の生徒が現れた。
剣と盾を持つ赤い髪の少年と、大きな斧槍を持つ茶髪の少年だ。
この二人には見覚えがあった。学院の中でも特に優秀な三人組の内の二人で、将来が期待されていると同時に指名手配犯顔負けの問題児だ。私も間接的にだが手を焼かされたこともある。
そんな彼らが
「どうしてここに?」
「話は後です!しんがりは我々が引き受けます!!その間に後退を!!」
「学生を置いて敵に背を向けるのは、騎士として一生の恥だ!」
最初のコメントを投稿しよう!