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直剣を回収し損ねて、男と共に崖から落ちたが、命と比べれば安いものだ、と妥協して向き直る。
それにしても数が多い。いくら蹴散らしても減る様子もない。
兵力差……。
長年、ユースティア王国をはじめ、各同盟国を苦しめさせてきた問題だ。
こちらが千の騎士を引き連れ、出撃すれば、帝国は万の兵士で迎え撃つという有り様だ。
帝国は南を全て支配している。
つまり地図の下半分は全て帝国の領土ということだ。
圧倒的な領土、無限大な物資に、地を覆い尽くすほどの兵力。
対して北側、地図の上側の勢力はユースティア王国、シックザール連邦、プリエール共和国の三国で土地をわけあっている状態だ。
また、帝国に隣接しているユースティア王国、シックザール連邦の二国は帝国の侵攻が激しい。
プリエール共和国は二国の上に位置し、帝国の侵攻はないが、もしも二国が帝国に敗れれば軍事力に乏しいプリエールは三日も持たず征服されるといわれている。
そのため、物資が豊富なプリエールは格安で二国に武器や食料などを提供し、どうにか力を合わせて、しのいでいる状態だ。
東の傭兵国家のグラディウスは大陸からさほど離れてはいないが、海洋国である。理由はそれだけではないが、帝国の侵攻は皆無だ。
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