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試験とは将来、騎士になるのに必要な単位を、獲得するために行われる実践形式の任務のことである。
条件としては
・正式な騎士が同行していること
・最低限必要な単位を既に獲得していること
くらいであり、比較的受験しやすいものである。
しかし、行われる回数は少なく一年に三回程度であり、失敗は望ましくない。
試験の内容も様々で、
騎士と合同で魔物駆除や模擬戦闘、哨戒などがある。
そして俺たちは運良く「輸送」の試験だった。
輸送は全試験中、もっとも難易度が低く、失敗することは滅多にない。
なぜなら積み荷を目的地まで運ぶだけだからだ。
流石に積み荷を谷に落としたりしたら評価はゼロどころか、マイナスになりかねないが、きちんと注意を払えばミスをすることはないだろう。
しかし、移動距離は凄まじいものだ。
俺たちの学院は王都の中に建てられているのだがもう三週間近くは歩いている。
行軍速度は遅いものの徐々に疲れが蓄積してくるが、誰一人弱音を吐かない。
これが試験でなければ脱落者がいただろう。
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