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「ウェルト!俺達も様子を見に行くぞ!!」
「お、おう!」
少し呆けていた俺はフレインが走り出していたのに気付かず、慌てて追いかける。
「お、おい、お前ら!?どこに行くんだ!!」
走っている途中に横から声をかけられた。
目をやると、二つ前の荷馬車を担当していた同級生達だった。
「さっきの……悲鳴…だよな…?いったい何が起きてるんだ…?」
恐怖を宿した瞳で恐る恐る尋ねてくる気弱そうな男子生徒。
「それを今から確かめに行くのさ」
フレインがすっぱりと答え、再び走り出す。
三十秒ほど走った頃に、突如として変化が現れた。前方の荷馬車を担当している筈の生徒達が一斉にこちらに向けて走ってきたのだ。
まるで“何かから逃げ出す”ように……
「おい!?何があったんだ!!」
問いかけてみるが、向かってくる生徒達はまるで聞く耳を持たない。
走りざまに各々、悲鳴をあげながら通り過ぎていく。
その悲鳴のなかに一つだけ、無意識的に耳に入ったそれは、頭のなかで数回、エコーする。
……竜騎士が現れた…?
竜騎士といえば帝国軍の最高戦力の象徴的存在だ。
強靭な飛竜に跨がり、敵を殲滅せんと空を駆ける彼等はこの世界で数少ない航空戦力の一つ。
飛竜の鱗はあらゆる物理攻撃に耐性があり、普通は竜の苦手とする雷属性の魔法で撃退するのだが、最近では、飛竜に魔法耐性のある防具をつけたりすることにより、弱点が少なくなってきている。正に最強の騎士団だ。
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