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一応、フレインにも伝えるべきだな。
「聞いたか!?フレイン、竜騎士が現れたらしいぞ!!」
フレインは無言だ。だが、表情は恐れと焦りが入り交じっている。
ふと、フレインが右手を顎に添えて、左手は右腕を支えるように右肘を持つ。何かを思案しているようだ。
「……、ウェルト。武器を貰いに行くぞ…!」
唐突に言われ、呆気にとられる。
第一に、武器を貰うなんていったい誰から…?
随伴している騎士に、「武器を下さい」なんて言っても混乱させるだけだ。
そもそも武器なら、学院から支給された直剣があるではないか。
では一体、何の為に?
…まさか……、
「……竜騎士と戦うつもりか…!?」
「その時は、その時だ。仮に相手が竜騎士だとしても、そうでなくても、こんな見かけ倒しの直剣で戦えるわけないだろう?」
たしかにそうだ、学院から支給された直剣は見た目こそ騎士のそれだが、やはり学生向けに調整がなされ、非常に軽量で、安全性を配慮し切れ味もそこそこのものだ。
…武器を貰うにしても、より頑丈で鋭いものの方が良さそうだ。
「因みにだが…、いったい誰から?」
やはり騎士からだろうか?
武器を持っているのは騎士だけで、学生は俺達のものと全く同じだから意味がない。
だが貰えるわけがない。
「竜騎士を倒すので武器を下さい」などと言ったところで、勝てるわけのない学生に武器を与えるはずもなく、相手にすらされないだろう。
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