希望

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「さあ、ここへ座って」 彼女は立ち上って椅子を空けた。 「う……うん。じゃあ、お願いするかな」 「はーい。お願いされました。うっふふ……」 彼女の楽しそうな口調に乗せられてしまった。 私は、ザバーッと湯を跳ね散らかし、勢いよく立ち上って、浴槽を跨いだ。 そして素早く椅子に腰掛けた。 「あらあ、細く見えても、やっぱり男ね。肩幅があるわね。洗い甲斐がありそうだわ」 そう言って、彼女は泡立てたタオルで私の背中を流し始めた。
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