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「ふうっ」
私は繁華街の十字路で立ちすくんだ。
洒落たデザインの街灯の下を無数の他人が行き交っている。
ここに私を知った人は居ない。
それは、とても気楽で開放感のあることなのだが、二日以上、誰とも話さずに過ごすと、さすがに寂しくなる。
煙草をつけて、来た道を振り返って見るが、初めて目にする景色に、心細さが増すばかりだ。
ふと見上げた空は、鮮やかな茜色に染まっている。
手前が赤く、遠くの空ほど黄色く輝いて、美しい光のグラデーションだ。
駅は、どっちだろう?
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