彷徨

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次の十字路へ差し掛かった時だった。 ふくよかな体形の女性が細長い花壇に水やりをしている。 その脇を過ぎようとしたところで、予想もしない事が起こった。 足元へ、ザブンと水をかけられたのだ。 散水ホースがバケツに引っ掛かり、倒れたからだ。 「あっ!」 「あらっ! まあっ、たいへん! ごめんなさい」 女性は謝りながら、その場にしゃがんで私の足元を見ている。 「びしょ濡れだわ」 「いえ……大丈夫です」 「そうはいかないわ。中へ入って下さい」
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