*one*

3/8
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
『俺が見えるの?』って……え? 「み…見えます…よ…?え…?」 意味が分からず、何て答えたらいいか迷った。 目の前にいる彼はすくっと立って、 「ほんと?見えるの?俺が?」 「は…はいっ…見えますともっ…」 すると彼はふっと笑って 「……やっと出会えた。俺のこと、見える人に。嬉しい」 呆然と見ていると、彼は、何かを言い忘れていたように、「あ」とこちらに目を向ける。 「俺、お化けなんだよね。いわゆる幽霊ってやつだよ」 え………幽霊……………? 頭がついていかない。 「あなたが、幽霊?ってこと?えぇ?」 嘘でしょ、と言いたげな顔で彼に問いただす。 信じられるわけない、だって彼はこんなにも近くにいる。 私の手が届く場所にいるじゃない。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!