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隣には彼。名前は杉本 春海というらしい。
只今、噴水がある公園のベンチに二人で腰掛けている。
さっき言われた内容が理解できなくて、杉本さんが「まあ、座れるとこで話そうよ」と言ってココに来たわけだ。
今でも彼が幽霊だなんて信じられないけど…………信じるしかないみたい。
だって、二人で座って話してるはずなのに、私たちの目の前を通る人たちは不思議そうにこちらを見てる。
さっき来た子供なんかには、『なんでひとりでお話してるのー?』なんて聞かれた。
それをその子の母親らしき人が止めに来て、すいませんって謝ってくれたけど、言い終えて子供と歩き出した途端、
『変な人に話しかけないの』
なんて言ってるし…。
変な人って、失礼な。
なんてどうでもいいところで拗ねてみる。
だって…。だって、だって…………杉本さんが幽霊なんて信じられなすぎなんだもん。信じたくないし。
だって、恋してた相手が…オバケって……。
笑えないよ。
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