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「…さっきから思ってたんですけど、何か変じゃないですか?」
「ん?何が?」
優しく聞き返してくれるすぎも…じゃなくて、春海。
「だって私、春海って呼んでるのに敬悟って、なんか気持ち悪くないですか?」
春海はフハッと笑って
「確かに違和感あった!」
何でそんなに嬉しそうなんですか。その笑顔、相手が幽霊でも惚れます。
「ですよねー。だってさっきから、『春海って何が好きなんですか?』とか聞いてるんですよ。かなりおかしいと思います」
「んー。そこまで俺に問い詰めるってことはタメ口にしたいってことか」
えっ。ただ疑問を口にしただけなのに、変な風にとらえられてる?
「別にそーゆー訳じゃ…」
「いーのいーの。俺はそういう積極的な子が好きだから」
パチンと指をならして私を指差す。
「不要な情報提供をありがとうございます」
目の前の彼は、顔にガーンと分かりやすく書いてある。
「ふっ…不要?誠、それ多分言葉のアヤだと思う」
「いいえ、違います。勘違いしないでください。春海が蛙に見えます」
更にガーンとした表情。
ついに心が折れたのか、ボソボソと拗ね始めた。
「一体どうみたら俺が蛙に見えるんだ?誠の目はどうなっている?それとも性格が蛙ってこと?」
最終的には意味不明な結論に達している。
咄嗟に出た言葉が蛙だっただけなんだけど…。
そんなに落ち込まれたら、何て声かけたらいいか分からないじゃん。
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