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(まさかな…)
この世には自分とそっくりな人間が三人いるというのだ。どうせその類だろう。
全チャンネル切り替えてみてもニュースばかりなので、テレビの電源を切る。
時刻は6:30、9:00に出れば余裕で間に合う。
(ゲームでもするか)
パッケージからディスクを取り出し、ゲーム機に入れ、コントローラーを手に持つと
ダン!ダン!
ゾンビを倒す作業に従事する事にした。
「いってきま~す」
結局ゲームにはまってしまい、出た時刻は9:45分。ギリギリだ。着いたら混雑が予想されるだろう。
(だり~)
そんな気持ちのまま、イヤホンから流れる音楽で世の中という雑音をシャットダウンし、スマホをいじくりながら電車に揺られること一時間。
大学の最寄り駅に到着した。
周りは同じ大学の学生だらけで、この人混みの中あと数十分歩き続けると思うと気が滅入ってしまう。
そんな時
「よ」
背中を叩く音。
「よう」
軽く返事を返す。
「レポートやって来た?」
「当然」
「まじで…昨日連絡した時はもう無理だわ~とか抜かしてたじゃねえか」
「そこでやるのが俺である」
「そこで写させてと頼むのが俺である」
「黙れ(笑)」
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