4人が本棚に入れています
本棚に追加
よくスローモーションの映像を見るが今の視界はそれになっていて私はただ動けず親父が口からはみ出したソーセージを吐き散らしながら走ってくるのをスローで眺めていた。
ドスっと腹部に鈍い痛みが走り、無意識に痛みがある所に視線をやれば案の定、見事なまでにサバイバルナイフが刺さっている。
あまりの痛みに膝からガクンと崩れ落ち床に倒れ、私を刺した張本人である親父は一目散に逃げて行った。
ああ、私は死ぬんだなって思う。
別に悪い人生じゃなかったとは思うが、もっと楽しみたかった。
誰かに欲されるような人間になりたかった。
不思議と涙は出ない。
あまりの痛みに意識が暗転した。
最初のコメントを投稿しよう!