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―また『あの人』の夢。
最近になってから頻繁に見るようになった。
僕の身代わりになって連れて行かれた『あの人』。
貴方に会いたい『ザレム』…―
此処は魔界。
数多くの悪魔が住む世界である。
その中で最も珍しいとされる悪魔が存在する。
彼らは『No.devil』と呼ばれており、誰もが予想出来ない強さを持っているという。
彼らが『No.devil』と呼ばれる理由・・・それは顔に番号が付いているからだ。
この魔界にひっそりと暮らしているリュカという青年は『No.devil』の一人だ。
現在確認されているNo.devilは1~4までである。
リュカはその中の第3悪魔である。
残りの1・2・4は不明なのだ。
「…No.devilなんてくだらない。強いだけじゃ…意味がないんだよ…」
リュカはそんな愚痴を零した。
そう。彼は自分がNo.devilだということを嫌っている。
周りからの視線が酷く気になって仕方ないのだ。
リュカは悪魔。
それなのに普通の悪魔と同様には見られない。
彼は居心地が悪そうに顔をしかめ、
「本当にくだらない・・・」
と、暗い空を見上げ呟いた。
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