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リュカは魔界のあちらこちらを歩いていた。
まるで、居場所を探しているかのように。
゛僕はこんな所でのんびりしていてもいいのだろうか?罪人がこんな所で…゛
リュカは罪を犯している。
ある時、彼は両親を殺してしまった。
それがきっかけとなり、追われる身となってしまったのだ。
当時のリュカは幼かった。
罪を犯した悪魔は『終わりの牢獄』へと連れて行かれる。
もう逃げられない…そう思った時に助けてくれたのが、ザレムという名の悪魔。
ザレムはリュカの代わりに自らを捧げ、そして『終わりの牢獄』へと連行された。
それっきりリュカは彼とは会っていない…。
リュカはそのザレムの事が気がかりでならなかった。
゛ザレム、貴方は何故僕の身代わりになったの?『終わりの牢獄』は一度連れて行かれてしまったら二度と戻って来ることが出来ないというのに…゛
『終わりの牢獄』
そこは罪人が一生を賭けて罪を償う所である。
だが、ザレムは何もしていないのだから償うものなんて何一つ無い。
゛このままで良い訳がない!なんとかして彼を助け出す…このNo.devilの力を使って…!゛
リュカは番号の付いた左の頬を指でそっと撫でた。
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