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「やったじゃん!美咲!!あいつ(一之瀬)は気に入らないけど、シルビアンボンバーツアーのファイナルが見られるなんて、行く価値大アリだよ!!・・・実は・・・私もこの間の『堂島兄弟』見て、ドラムの“けんじぃ”、気になってたんだ~♪」
この間までジョニーズ事務所のSex-My-Ft9の追っかけをしていたはずの陽子。ちゃっかりシルビアンボンバーに鞍替えしたらしい・・・。
「けんじぃか~。まぁ、すっぴんイケメンって専らの噂だし、いいと思うけど・・・キャラがね~!やっぱり類稀なる才能の持ち主“しょうりん”には敵わないよ~!しょうりん様~☆☆☆」
「いいじゃん!イケメン!!男は顔でしょ?!」
押しメンの話で盛り上がっている二人、楽しそう。
こういう時、芸能人に全く興味がない私はいつも一人。
そりゃあ私だって、芸能人を見て、キレイだな、とか、ステキだな、とか、思わないわけではない。
でも、結局どれだけ想ったところで一方通行。
所詮、芸能人は芸能人。
テレビの枠の中の人。
ステージの上の人。
いくら身近になったとはいえ、見えない壁が立ち塞がっていて、私たちとは住む世界が違う。
決して交わることのない相手に夢中になるなんて、私には到底考えられなかった。。。
「ねぇ、盛り上がってるところ悪いんだけど・・・、そんなに会いたいならそろそろ行かないと間に合わなくなるんじゃない?」
“サキ”“ヘドバン”“ギャクダイ”“ウィ○シュ”
もはやどこの国の言語なのかもわからない言語が飛び交う二人に静かに言った。
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