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「お嬢さん、お嬢さん!」 「ちょっと、まって!」 「キミだよ、キミ。そこのチェックのスカートの!」 ある晴れた日の放課後、うだるような暑さから逃れるように仲良し3人組でアイスワゴンの食べ歩きをしていた。 3件目のワゴンを過ぎた私の手には3段アイス。 水色のチョコミント味と乳白色のバニラ味とピンク色のイチゴ味。 放課後だし、私を含めてみんな制服を着ていて、チェックのスカートもみんな一緒。 友達の美咲はアルバイトでモデルをやっていて、容姿端麗。 スラリと伸びた手足に高校生離れした骨格。170cmの長身なのに体重45kg。 「美人」という言葉はこの子の為にあるのではないかというくらい、全てが黄金比で出来ていた。 また、もう一人の友人、陽子は他校にファンクラブができるくらい私たちの地域では有名な可愛こちゃん。うさぎのように白い肌と子リスのような潤んだ大きな瞳が特徴的で、女の私も思わず守ってあげたくなるような可憐さを持っていた。 当然、声を掛けられるのも日常茶飯事。 相手も芸能プロダクションからパンピーのナンパまでそれはそれは幅が広い。 この時も、声を掛けられたのは美咲か陽子だと思っていた。
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