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なんだか訳のわからない話だが、一之瀬の表情は真剣そのもの。 とても冗談を言っているようには見えなかった。 「それで、それが蘭となんの関係があるんですか?」 疑惑の目を崩さずに美咲が質問する。 こういう時、美咲は本当に頼りになるのだ。 「だから、ね?そこのお嬢さんにサクラになってもらって、あるアーティストの素行管理に協力をお願いしたいんだ。ファン層が丁度、君たちくらいの年代なんだ。」 つまり、某アーティストのファンを装い、熱狂的なファンに混ざって、そのファン達がアーティストに近づきすぎないように見張る役目を私にお願いしたいという話だ。 「でも、そういうのって、通常、事務所がやることなんじゃないですか?なんで一之瀬さんのような別会社の人が、しかも蘭みたいな素人を使って・・・?やっぱり怪しい!」 「そうだよね。新手の詐欺かなんかじゃない?警察行こうか。」 陽子と美咲が一之瀬の両脇を固め、引きずるようにして交番に足を向けた。 「いやいやいやいやいや・・・・・!ちょっとまってよ!僕、何もしてないじゃない!わかった!そこまで疑うなら今度の土曜日、O-NEXTに来てくれないか。ゲストで入れるようにしておくから。そこで、僕が怪しいものじゃないっていう証明もするから!」
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