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「─────ほんっと、いい加減放せ!」
「やだー。」
「俺が嫌だ!」
「──よぉ木場.... あらー、とうとう捕まっちゃったか。」
「翼ぁ!やったぜ!.... 俺がいただいた!」
「──っちょ、何デタラメこいてんだよ!」
昇降口で大騒ぎ。
岸川のノリに阿須賀がワルノリ。
「────っぐぁ.... !」
「てめぇがさっさと退かねぇからだよ!」
木場の膝げりが阿須賀の急所にクリーンヒット。
悶絶しつつ....
「──ああ、次は優しく触れてくれると.... 」
「────死ね。セクハラ。」
懲りない。
イケメンが勿体ねぇ。
「つーかさぁ、お前、何時もより機嫌悪いなぁ。」
「────あぁ?」
「スミマセン。」
岸川の問いに
ガンを飛ばす木場。
可愛く大きな瞳は、
時として猫科動物の瞳を思わせる鋭い眼光を放つ。
阿須賀は違うクラス。
「じゃーなー愛しの奏~♪」
「二度とその面提げてくんな。」
投げキッスを飛ばしながら去る阿須賀に、
しっしっ、と手を振る木場。
「阿須賀は諦めわるそーだなぁ。」
「.... .いいメーワクだっての。」
当人等のやり取りを聞いて、
脈を完全に絶たれた木場親衛隊(?)の者共が項垂れる中を、
心無く通り行く二人。
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