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木場 奏(キバカナデ)。
高校2年。
男子高生にして身長は166㎝。
低すぎはしないが身長が高いとは言いがたい。
しかし問題はそこではなく。
木場は、見た目だけならばそこらの女子には劣らない程の美少年。
男よりか女に近い顔。
長い睫毛に薄茶の柔らかくて肩ほどまで伸びた髪。
色白で細身な足腰。
女子に飢えている奴等が多い場所では矛先が向けられてしまうのは致し方無い。
に、しても。
「奏ちゃんはもてるねー。」
追い付いた奴はケラケラと話し掛ける。
「別に嬉しくないし。」
木場はそう切り捨てる。
「ははっ、だよなぁ。男にモテてもなぁ。」
そう言うのは、岸川 翼(キシカワツバサ)。
彼女アリの至ってフツーの男。
狼だらけのこの高校では唯一の友人。
「.... .... .... 。」
「どした?」
木場は、悩む。
“男にモテてもなぁ”
その言葉に。
だって、今俺は恐らく....
否、確実に。
───あの人が、好きだ。
考えただけで胸が熱くなるし、
最近なんか、然るべき処理は全てあの人で済ませちゃう程に。
こうして考えただけで体が脈打つ。
「おーいー?だーいじょぶかー?」
岸川がひょいと顔を覗きこんだ。
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