YEARNING

6/40
前へ
/40ページ
次へ
.... .... いる。 対角線上に私の好きな人。 柔らかそうな髪が日射しに反射してキラキラ光ってる。 憂いを帯びた横顔。 てに持ってる本だって、見ていることがバレない為の只のカムフラージュ。 この時間の電車で必ず乗ってくる人。 なんて、 なんて可愛いんだろう。 一目惚れだなんてベタだけど、 “大丈夫?” 声をかけてその人が顔を上げた瞬間。 胸を鷲掴みにされた。 その甘い香りのする細い体をこの胸に抱きたい。 「.... はぁ。」 短い一時。 毎朝、電車を降りる度、どうしようもない程に切なくなる。 明日はまた会えるだろうか? 来週は? いつか、見ることが叶わなくなる? そう思うだけで、 狂おしい。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加