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三浦 涼(ミウラリョウ)。
高校2年。
男女共学の高校に通う、
女子高生。
──ただ、
その姿は、女子とは遠い。
「─みっ、三浦先輩!お、おはようございますっ!」
「おはよう。」
「「キャーっ!」」
三浦に挨拶をした一年女子は顔を紅くして去っていく。
三浦は、見た目だけなら完全に男。
中学まではセーラー服であったため、辛うじて女子であることを示していたが、
この高校は制服指定がない。
生徒たちは皆、思い思いの服装をして登校してくるのだ。
良すぎるスタイルによく似合うスキニージーンズにジャケット。
スッキリとしたショートヘアに177㎝の長身。
凛々しく整った美貌。
芸能界からのスカウトは数知れない。
三浦は女子ながらにそこらの男子より遥かに格好いいことから、
一部の校内ファンからは“皇子”と呼ばれていた。
また、女子ににつかない注低音ボイスもそれら要素に更に拍車をかけている。
家族は両親にあわせて兄が3人。
女子というより、
男子のように扱われて育ってきた三浦。
気が付けば、自身が女であることに違和感を覚え始めてしまうほどだった。
女の子が、スキ。
男が嫌いなわけではないけど、
そういう目線では、見れない。
心は男。
身体は女。
だけど、今焦がれてしまうほどにあの人が恋しい。
彼女は女。
私も、女。
でも、
好き、好き、好き。
気持ちだけは、どうにもならない。
止めてもとめても溢れてしまう。
最近は、心から思う。
何故、私は女という姓を与えられてしまったのか、と。
教室の前に辿り着いた。
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