家族が欲しかった……

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携帯からだと思っていたのに、目の前に悠太がいつの間にか立っていた。 「しっかりするんだ!! 美春!! 椿なんて居ない!! 全ては君の罪悪感が見せている幻なんだ!!」 「罪悪感……?」 涙ながらに訴える悠太を見て思い出す。 数ヶ月前の保育園での事故。 私がふと目を離した隙だった。 遊んでいたあの子のリボンがほどけ、風に飛んだリボンを追いかけたあの子はトラックに……。 皆から責められて、自分自身で責めて……。 私は……。 私の頬に涙がつたう。 「ツラいの……。悲しいの……。あの子の最後の叫びが頭から離れないの……。私は……私なんか幸せになる資格なんてないの……」 「忘れろなんて言わない。世界中が君を許さなくても、俺は君を許す。君の罪……俺も一緒に背負ってやる。だから、一緒に乗り越えよう」 力強い誓いの言葉と抱擁に、息が止まりそうな程の幸せが駆け巡る。 あなたが私を許してくれて……あなたが共にあるなら……私は……。
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