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――――――
お父さん……。お母さん……。
包丁を握り、息たえたお母さんの体を見ながら、あたしは呟いた。
止めどなく溢れる涙を手の甲で拭い、血にまみれた二人の亡骸をじっと見つめる。
どうして……どうして、お父さんもお母さんも椿を迎えに来てくれないんだろう……。今度こそ、お父さんとお母さんだと思ったのに。
つけっぱなしのテレビから、バカ騒ぎが垂れ流されている。
『最強は誰だ』
そんなことを司会者が言って、お笑い芸人たちが体を使って何かをしている。
下らない。鬱陶しい。
消したいけど、リモコンが見つからない。
それより、とても眠い。
二人の亡骸を踏み跨ぎ、あたしはソファーの方へとゆっくり歩いて行った。
ソファーに腰掛け、ごろんと横になる。
今……何時ぐらいなんだろう? 外が暗いから……夜になっているのだけわかるけど。
ソファーで横になると、睡魔が襲ってきた。うつらうつらとしていると、いろんなことが頭の中を駆け巡って行った。
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