47人が本棚に入れています
本棚に追加
あたしは汚れもののたまった部屋で空腹を抱えながら、お母さんの消えた日からずっと眠り続けた。
その方が楽だから。
次に目を覚ました時、どこかから声が聞こえた。
「ネグレクト」「まだ10歳」「かわいそうに」
そして、見えたもの。
ガリガリに痩せ細ったあたしの体にかけられている、青いビニールシート。
――これはきっと夢。
――悪い夢。
目が覚めたら、本当のお父さんとお母さんがあたしの側に居てくれるんだよ。
だから――眠ろう。
最初のコメントを投稿しよう!