ドクター&ウルフ―幼少時代(出逢い)―

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雪の国を統治する城、ティリステリカ。 その城から少し離れたところに、人間を襲う狼の森があった。 国王は民を守るために、その森に兵士を派遣し、 駆逐に乗り出したが、知能の高い狼らに数を減らすことは難航した。 そんな、ある日のこと。 ティリステリカ、狼の森の近くにある大きな街。 名をスノーキルと呼び、他国にも轟く名声を誇っていた。 その理由とは、王室が代々抱える専属医師にある。 『ユリウス・F・ラドクリフト』 今、王室に仕える医師の名をそう呼んだ。 代々続く医者の名家であり、その腕は世界中に知れ渡るほど。 他国から病を治すために駆けつける者が立たないほどで。 ラドクリフト家はこれからも末永く、その名を馳せて続いていくのだ。 そう、思われていた。
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