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「相変わらずでけーな、お前ん家」 「まあな」 「いいな~」 「で、何しに来たんだっけ?」 あれから30分後にやってきた喬介を自室に招き入れる。父親は外国にまで進出している大手企業の社長をしていて、母親は医者をしている為か、家には有り余るほどの金がある。が、それは俺の金ではなくて、だから家がでかいとかそういうのは俺には関係がない。 「せっかくのゴールデンウィークだろ!遊ぼうと思ってさ!」 「…こんな朝っぱらから?」 「もう11時じゃん、昼じゃん」 「…何するの」 はあ、と喬介にむかってため息を吐く。喬介はそれを気にすることもなく、にんまりと笑った。気持ち悪い。 「買い物!」 「買い物?」 「お前、明後日小春さんと遊びに行くんだろ!」 「なっ…なんでそれを」 「りんこさんに聞いた。でさ、将来スタイリスト兼メイリストになる俺様が見立ててやろうと思ってさ」 「いいよ…あるの適当に着てくし」 きらきらとひかる喬介の笑顔に苦笑を漏らしながらやんわりと断る。自分の夢を持っている喬介は嫌いじゃない。 「駄目だ、駄目だ!」 「…わかったよ」 「よし、お礼に昼おごれよ!」 「お前が言い出したんだろ!」 駄目だ。いちいち喬介に突っ込んでいると余計なことにならない。 「まあ、昼はうちで食べていけよ」 「え!いいの!」 「ちょうど出来上がったみたいだし」 「?」 喬介が首を傾げたそのとき、部屋の扉が勢いよく開いた。それはもう、壊れるのではないかと危惧するほどだが、毎度のことなので突っ込みはしないことにした。
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