始まり。

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自分の部屋に行く。 セナがベッドにしがみついていた。 「どした?具合悪い?」 セナの背中をさする。何も言わない。 鼻水をすする音が聞こえて、泣いているのがわかった。 さっき中途半端に遊んだからだろうか。心臓が痛い。 「やだ・・・。やだよー」 「どうしたの?」 セナの手を見ると、写真立てが握られていた。 私とリサコがリビングでキスをしている写真だった。 学生の頃から普通にキスをしていたし、今更どうしたんだろう。 リサコのキスは愛情表現みたいなもので、恋愛感情などまったくない。 「なんで、なんでリサコなの?」 震えた声。 その言い方じゃ、リサコと私が付き合ってるみたいじゃないか。 コイツはどういう意味で言っているんだ?
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