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「暑い…」 太陽がジリジリと肌を焼く。8月の日射しはかなり厳しく、容赦なく俺の身体に降り注ぐ。 「くそ…まだなのかよ…」 俺の周りにあるのは人、人、人。目的の建物はまだ見えてすらいない。 俺こと水成恭弥〈ミズナリ キョウヤ〉が、わざわざ真夏の太陽が照らす中、人混みに紛れてるのには理由がある。 それはゲームだ。 といってももちろんただのゲームではない。もしそうならクーラーの効いた涼しい部屋でアイスでも食べながらプレイできるしな。 俺が今からプレイするのは三人称視点ではなく一人称。 つまり主人公そのものになってプレイすることが出来るという、近未来的なゲームだ。 俺は最初、ネットの掲示板でその情報を見たとき釣りかと思っていた。 後、十数年かかると言われていた体感型のゲームが今年の夏に出ると言われて信じる奴がいるだろうか? 少なくとも俺はそうではなかった。 他の人だってそうだったはずだ。 しかし夏に近付くにつれ、ゲームの宣伝等が載り始めそれは確実なものとなった。
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