貴族狩り

2/16
2862人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
「なんだ!?」 窓ガラスが砕ける音に、誰もが一様に向き直る。 そこには長い金の髪を踊らせた女性魔導師が立っていた。 すぐに先ほどの襲撃者の話を思い浮かべるも、目の前の女性は自分達よりも若干年上に見えるし、着ているものも制服ではなく、黒の導衣。 服の上からでも分かるほどに大きな胸、ていうか全体的にナイスバディ。 彼女の見た目は、確かな大人の雰囲気を纏っていた。 少なくとも、見た目は。 「ふふふっ! アイアンメイデンが倒れている今が好機よね。あたしちゃん、頭良い! ずのーめーせき、よーしたんれー! アルフレッドちゃん、このアリサ・マリサの手にかかって死ねゆことを光栄に思いなたい!」 いかにも頭の悪そうな口上を終えて、アリサがびしいっと、指差す。 なぜかレイムを。 「ちょっと待って! 私はアル君じゃないわよ!」 「あれえ? あたしちゃん、間違えた? 失敗、失敗、らよ☆」 テヘッと舌を出してウインク。 なんていうか、対峙するだけで精神をガリガリ消耗する相手だった。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!