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午後になってようやくヒロの父保孝が到着し、イズミはこれでヒロの保護の任から外れるとホッとした。
事件の真相も分かったし、ヒロは無事だし、意気揚々と保孝に会った。
「一年前の事故の真相を暴き、二つの事件の犯人を捕まえてくれたそうで」
「はい!頑張りました!」
元気よく答えた。
もっと喜んでくれるかと思ったら、保孝は自分の手柄を持っていかれたので、複雑な顔をしている。
そこに是之が来て、「流石は瑠飼探偵。ここにいなくても、電話の指示だけで、助手を使って二つの事件の真相を判明出来るなんて、素晴らしい」とべた褒めした。
目が覚めたら全て解決していたのだから喜んでいる。
保孝は褒められて、一瞬「え?」という顔をしたが、すぐに、「ざっとこんなものです」と気取った。
更に、『これで仕事の依頼も増えるかも』と期待した。
イズミは黙って手柄を譲った。イズミのこの旅行の目的は、ヒロを守る事だったので、無事使命を果たせただけで満足だ。
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