第四十章 医療キャンプと難民

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 ――医療物資は幾らでも補充できる、要員の撤収をいかにさせるかだ。 「拠点にトラックを用意させておけ、撤退に使うぞ。大尉、サルミエ少尉に」 「あいよ」  お客さん気分が抜けない――客分ではあるが――感じで返事をする。 「シーリネン大尉より入電、拠点からの出迎え護衛と合流しました」  うむ、と確認の声を発する。様子を見るために少し黙っていると、爆発音が聞こえてきた。  ――ブービートラップか、少しは足も鈍るだろう。  どっしりと構えて微動だにしない司令官を見て、供の兵らが安心感を覚えた。ロマノフスキーが出す指令が耳に入ってくる、自らが感じたタイミングで同じような命令を発する。暫し間を置いてから衛星携帯を取り出し、番号をプッシュする。 「俺だ、現在地を報告するんだ」  前置きも何もなく問い掛ける。 「……ブカヴ市街地から北側凡そ十キロ地点」  左右の現地人に目測を確認したらしく、数秒隔ててから返答があった。 「医療キャンプで交戦中、戦闘部隊の半数を増援の為に割くんだ、撤退援護を君が行え」
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