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少年は誰だって、心に夢を抱えて生きている。
僕もそうだった。少年の頃、俺は無限に広がる夜空を眺めては、宇宙に思いを馳せていた。いつか、必ず宇宙飛行士になって地球の外からあの世界を感じてみたいと思っていた。
そんな夢を失ったのは、一体いつのことだっただろう。
宇宙飛行士になんて、なれっこないと、中学の同級生に笑われたときだろうか。
あるいは高校受験に失敗して、普通の公立高校に進学したときだろうか。
それともその後、日々の課題と友達付き合いに疲れ果て、学校をサボりがちになっていたときだろうか。
僕には分からない。けれど、今やもう僕の心の中にはあの時のように輝く夢が存在していないように思えた。宇宙飛行士になりたいという夢は、セピアに色褪せた幼い頃の思い出へと変わってしまった。
僕はもう、何年も夜空を見上げていない。
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