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自分の犯した失敗を自分で笑いながら再度謝り直すと、少女は「気にしないでください」と首を振った。
ええ子やわあ…
人を押し潰したりいきなり連れ去るとかがなければな。
シ「そ、そうだ!申し遅れましたが、私は第23代神王の娘であるシーラ=アーリアルドと申します。気軽にシーラ、とお呼びくださいませ!」
椎「んじゃあよろしく、シーラ」
まさかの神…いや神王の娘だったか。
こりゃお仕置きとか出来ないぞ困ったな…!!
シ「はい、以後よろしくお願いいたします!あ、それでは早速、蓮見さまと三弥さまに力を与える儀に移りましょうか?」
「「…いや、それはまだ後でいい」」
結構せっかちらしい少女…シーラがどこからともなく出した指揮棒のような短い杖を持ってそう問うが、俺と(いつの間にか隣にいた)三弥先生は首を横に振った。
それを見たシーラは何故?と不思議そうに首を傾げるが、いかんせん俺達はまだ異世界についての知識がまるで無い状態。
このままだと、例え世界最強の力を有していようが迷って迷って迷ったうえ、俺達が何も知らないのを良いことに悪い方の組織に引き込まれることも無いとは言えない。
椎「そういうわけでシーラ先生に質問があります」
学校では決してやらないほど綺麗なフォームで手を上げた俺を、シーラが「はい、何でしょう?」と見上げている。
ちなみにシーラの身長は140前後だと推測する。つまりかなり小さめなんです。
椎「えっとね、その世界に魔法はありますか?」
資金面の心配とかはまあ置いといて、とりあえずこれだけを聞ければよし。
俺にとって重要なのはSFかファンタジーかであって、迷子になっても…まあ、自己責任ということで。
腕を下ろしながら聞くと、シーラは小さく唸りながら何かを迷っているように眉を潜める。
だけどそれも長くは続かず、すぐに表情を弛ませて俺の質問に答えてくれる。
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