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彼女は、俺の話に聞く耳を持たず問答無用で異世界へ送るつもりらしい。
ブラックホールと言った方がしっくりくる天井の丸い紫の闇は、心持ち吸引力を増して行っている。
ってかなんで吸引力増すんだよ、なんだよ進化してんの?現在進行形で?
俺がなんとなしに座席に掴まって抵抗していると、少女は俺を見下ろしてこう言った。
「やりようによっては向こうでハーレム作れますよ」
椎「よし行こうじゃまいか」
それを聞いて座席に片膝をついて起き上がる俺。
べっ別にこっちでモテなかったから異世界に託そうとかそんなんじゃないんだから!
「さすが蓮見さま、決断がお早い!」
嬉しそうにしながらも若干引いた様子で拍手を送る彼女をみて、ちょっとイラッとしたのは気のせいだと思いたい。
「それではこの次元転移のブラックホールに手を触れれば、待ち時間等なく転生の間に飛びますので」
準備が整い次第触ってくれと彼女は続けたが、今さらなんの準備をする必要があるんだか。
ただひとつ「転生」発言が気にならないわけでもなかったが、少しの希望と好奇心のもとにブラックホールに向けて手を伸ばす。
三「椎名…お前気は確かか?」
椎「残念ながらばっちり正気ですが何か」
そしたら空気になりかけていた(てか空気だった)三弥先生に腕を掴まれて止められた。
即座に俺は先生の手を振り払い、ブラックホールに腕を突っ込んだ。
悪いけど男に触られて喜ぶ趣味なんてないんでwwwwwと思いつつ穴に引き込まれていると、
三「…じゃあ俺も着いていこう」
とかいう先生に体当たりをくらい、その勢いから俺達は完全に穴に呑み込まれたのですた。
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