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だって無理だもの。
大きいとか小さいとかいう以前にそれはもうおっぱいなんだもの。
男たるもの大きい小さいに関わらず全ての胸を愛するものだろ。
俺は“強いて言えば”小さいほうが好きというだけで、大きいほうも別に嫌いではないむしろ大好きだ。だからこの興奮も仕方ないのではなかろうか。ドキドキドキドキと早鐘のように鳴り響くこの胸の高鳴りも……うん? 胸? 胸!?
「ぐはぁっ!!」
駄目だ、意識したらまた動揺が。駄目だ駄目だ。落ち着け。心を平静に保つのだ。無心無心無心……。
「……おーい。剣、取れたぜ」
お姉さんがジト目で俺を見ていた。気付くといつの間にかお姉さんは元の場所に戻っていて、俺は巨乳から解放されていた。
「急に黙っちゃってどーした? 風邪か?」
「い、イヤ……ゼンゼンダイジョウブデスヨ」
「ホントかー?」
言いつつもお姉さんは剣を俺に手渡してくれる。細身のお姉さんが割と普通に持っていたので予想を裏切られたが、その剣はなかなか重たい。感覚的には一周目で愛用していたものより少しだけこちらの方が重たいだろうか。
俺の《世断刀》という能力は剣を扱っているときに限り、身体能力にも多少の補正をかける。膂力も常人の倍近くなるため、威力を考えると軽すぎるよりは重たいほうがいい。その点この剣はなかなか悪くない。
そして、棚の奥のほうにしまわれていたわりには以外に保存状況も悪くない。刀身には目立った錆や刃こぼれもなく、鞘や柄もしっかりしている。これなら十分使えるだろう。
「うん、いい剣だ。これを貰っとこうかな」
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