第十一話

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ハイネ「つまり、奴らは既に遠くに逃げてこの国には居ないって言いたいのか?」 シン「この国に俺達天使が居るって解ったんだ。だから遠くの国に逃げてるんじゃないか?」 ナオ「じゃあ、僕はもう狙われずに済んだって事!?」 ナオはハイネの胸からパッと顔を上げてハイネを見る。 ハイネ「だがな…奴が簡単に諦めるだろうか?奴の性格からすると殺しに来ると思うんだが…」 シン「もし殺しに来るとしたら、この病院だろう。病院で何事も起きなければ、大丈夫じゃないか?」 ハイネ「そうだな…ナオ、お前いつまで入院するんだ?」 ハイネはナオの頭を撫でながら聞く。 ナオ「えと…明後日までだけど?明後日には退院出来るみたいだし」 ハイネ「じゃあ、それまで俺達は病院の近くに居るから、これ持ってろ。ただ吹けば良いだけだから簡単だ」 ハイネがそう言ってナオにオカリナを渡す。 ナオ「何このオカリナ?音鳴らないよ?」 ナオは渡されたオカリナを持って吹くが音は出ず不思議そうにオカリナを見ながらハイネに聞く。 ハイネ「そのオカリナは人間界には無いオカリナで、天界にあるオカリナだ。天使のオカリナと言ってな、天使にしか音は聞こえないんだ。そのオカリナは遠くまで聞こえるから例え離れていても聞こえる。だから何かあった時は、そのオカリナを吹け。そしたら助けに来るから」 ハイネはナオが持ってるオカリナを指差しながら言う。
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