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どのくらい寝たのか、周囲は薄暗いまま。
外で大きな羽音がした。
「…んー……」
寝ぼけたままの頭に、やたら大きな羽音が聞こえてくる。
何度もバサバサと。
雨はまだ続いているようだった。
障子を少し開け、外を見ると、正面の鳥居に大きな黒い鳥が一羽。
濡れた羽から雨粒を払っていた。
「とりー、おっきいとりー…鳥?」
這ったままの姿勢で鳥居を見上げていると、目が合った。
「雨宿りさせて頂いても、良いでしょうか?」
羽を動かすたびに、雫が落ちる。
けれど、落ちた雫より多く雨が羽を濡らしてゆく。
ニコニコしてるけど、すでにぐっしょりしている烏が居た
「良かったら、入りませんか?」
手招きすると、濡れて重くなった羽を羽ばたかせ、賽銭箱の手前に降り立つ。
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