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「いや、あの、はい‥分かりました。信じます信じますから、刀、突きつけるのはやめてください」
両手を上げて美祢さんに降参のポーズを取る。
怖すぎて嫌な汗が止まりません。
本当に、切実に。
「分かってくれておおきに。せやけどちょいときつう言い過ぎたかもしれへん‥堪忍な?」
刀を鞘に納めながら美祢さんが申し訳なさそうな顔で言う。
きついどころかほぼ脅しだったんですけど!?
「でもな、あんたが上辺だけやのうて心の底から信じへんとなんも始まらへんねん」
いや、まだ心の底からは信じてませんけどね!?
と思った瞬間、美祢さんに、にこりと微笑まれた。
圧がすごい‥!!怖すぎる!!
「ここは幕末の京。あんたは魂の巫女様。ほんで‥鬼から命を狙われる存在なんよ」
‥‥‥‥はい?
待って。こんな重苦しい雰囲気の中悪いんだけど今、この人なんて言った?
『鬼から命を狙われる存在』?
「そんなの聞いてませんけど?!」
「あ」
あ、じゃない!!あ、で済む問題じゃあない!!
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