記憶 -第一章-

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──ちゃん‥ いろはちゃん‥ 「ん‥」 誰かに名前を呼ばれた気がしてゆっくり目を開けると見知らぬ天井が目に入った。 「ああ、起きたんやね」 そこにこれまた見知らぬ女性がひょっこり写り込む。 綺麗な琥珀色の髪に碧眼‥しかも美人さんだ‥。 「彩葉ちゃん?大丈夫?」 「ん‥もうちょっと‥寝かせてほしい‥」 「なんや寝ぼけとるんかこの子は」 そう言うと女の人は両手をうちの頬に優しく当てがい、 ばちんッ!! 「いっったぁ!?」 「ふふ、目ぇ覚めたやろ?」 おもいっきり叩いた。 飛び起きたうちの頬に笑いながら、今度こそ本当に優しく手を当てがい撫でてくれる。 「確かに目は覚めましたけど‥」 今のは酷すぎませんか? というかこの人、誰?うちの名前を知ってるみたいだけどこんな美人な知り合いなんていたっけ?
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