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「まあ説明せえへんことには始まりまへんな。ここは幕末の京にある『誠屋』っちゅう店や。一応質屋をやらせてもろうとる」
「はあ‥ん?」
今、なにか引っかかる単語があったような?
「美祢さん、今幕末って言いました?」
「せやで‥ってもしかして彩葉ちゃん、梗夜様からなんも聞いてへんの?」
美祢さんがこれまた不思議そうに首を傾げる。
「聞いてないも何も梗夜様って誰ですか?」
「ほんまに聞いてへんの?梗夜様はうちの主でな?ほんでうちは梗夜の式神や」
「式神!?」
式神って陰陽師が使うあの式神!?本物!?
そう言えば公園で会ったあの男。
「人払いの結界を張ってるからな」って言ってた気がする。
「梗夜様ったら‥迎えが来るまで面倒見とけって言うとったけど、何も知らへんなんて聞いてへんよ‥」
「何か言いました?」
「いや、なーんも言うてへんよ」
にこりと取り繕うように美祢さんが笑う。
美祢さんの話が本当ならあの人は陰陽師ってこと?あんな無理やり人を誘拐する人が?
‥なんか思い出したら首の後ろ痛くなってきた。
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