お遊戯

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相変わらずわさわさと動き回っている老人たちのなかを、茶髪の男性に腕をしっかりと取られながら、百花はトイレの前まで来た。 トイレまではそれほど距離はなく、広間から見える位置にあり、これだけの短い距離で腕を抱え込まれる必要があったのかと、百花は思った。 そこまでして、この場から逃げるのを恐れているだろうか。 たくさんの老人たちが生活していると思われるのにも関わらず、トイレのなかは清潔に保たれていた。 百花は用を済ませるとそのままトイレの便器に座って、そのままで過ごしたい気分になった。 扉を開ければまた広間へと、首輪を嵌められ、手錠をつけられて、ヘルメットを被らされて、おかしな遊びに強制参加させられることになるのだろうか。 冷静に状況を理解し解決しようと、しばらくトイレに立てこもっていると、老人たちの声と曲が、扉越しに響いてくる。 それは何か、決して踏み込んでは行けない場所で、住民たちが茶会を催しているような、そんな趣さえあった。 とにかく逃げるしかない――。 そう思った矢先、トイレのドアが開いて立っていたのは赤い服の女だった。
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