8 哀しい接点

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「ご‥めん、北島。その話、また今度でいい? 今、は、まだ…」 途切れ途切れの言葉は聞きにくかっただろう。 「…ああ、わかった。」 その後は時折私のアパートまでの道を説明する北島と運転手さんのやりとりが聞こえるだけの車内。 目を瞑った私の頭の中に、凪子さんの笑顔が浮かぶ。 本当にもう、いないの? そして課長の横顔。 …色々な思いがぐるぐる回るだけ。 こんな事って…。 「…着いたぞ。」 北島の声にハッとして、目を開けると、タクシーは私のアパートの前に止まるところだった 「…ありがと。お金…、」 「いいよ。…また戻るので少し待っていて貰えますか?」 運転手さんに言って降りてきた北島を振り返る。 私が口を開く前に、北島の手が私の腕を掴んだ。 「ほら、階段、危ないから一緒に。そしたら帰るから。」 「…うん。」 腕を掴まれたままゆっくり階段を上って二階の端の部屋の前。 「じゃあな。」 「うん、ありがとう。…ごめんね。」 「…すぐ寝ろよ。」 頷いて鍵を開け中に入り閉めたドアに背中をつけて寄りかかる。 少し経って、カンカンカン…と北島が階段を下りる音が聞こえた。 ・
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