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翌朝、何時もよりさらに腫れぼったい目を何とか取り繕ろおうと、少し太目のフレームのメガネを掛けて出社した。
制服に着替えて、ひとつ息を吐き、気合いを入れて三階フロアへと向かう。
「大丈夫ですか?」
菜々子ちゃんが心配そうに声をかけてきてくれる。
「うん、大丈夫よ。ありがとう。」
…大丈夫。ほぼ普段通り、の筈。
それから菜々子ちゃんは、私が帰ってからの忘年会の様子を教えてくれた。
暫くは私の心配をしてくれていたらしいが、そこは酔っ払いたちの事、北島が帰ってきて、大丈夫と伝えてくれた後は楽しく盛り上がったらしく、私もホッとした。
メグミちゃんは、課長は新しい恋をするつもりがないのかな?と、酔って呟いていたらしい。
「メグ、“私、頑張ってみようかな”って言ってましたよ?」
「…そう。」
「鈴先輩は?」
私は笑って首を振った。
「…更科さん、でしたよね、知り合いだったんですか?」
「うん。…ちょっとまだ信じられなくて。今度話すね。…朝礼しよう。」
「はい。今日、課長休みで…助かりました。」
「…私も。」
多分菜々子ちゃんの数倍、そう思ってる…。
そしてその日の昼休み、私は一本の電話を掛けた。
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